今回のボストンマラソン(男子部門)が凄い理由
それはWMM(ワールドマラソンメジャーズ)+世界陸上のうち、シカゴ、ニューヨークシティ(NYC)、東京、ボストン、ロンドン、世界陸上の過去の優勝者が参戦するからです。
- シカゴ・・・ローレンス・チェロノ
- NYC・・・アルバート・コリル、ジョフリー・カムウォロル、レリサ・デシサ
- 東京・・・ビルハヌ・レゲセ
- ボストン・・・チェロノ、デシサ、キプルト、川内など多数
- ロンドン・・・レマ
- 世界陸上・・・デシサ
ちなみに故障からの復帰が遅れ棄権することになったべケレはベルリンを優勝している。
こんなことって今まであったでしょうか?4年に1度のオリンピックなら分かります。1マラソンレースにこれだけの選手が集まるのも
- 普段4月開催のロンドンマラソンが秋開催になったため必然と選手が集まった(ロンドンマラソンはギャラが高いため普段は1番速い選手たちが集まる)
- 126回もの歴史があるボストンマラソンだから
じゃないでしょうか?
ちなみに東京五輪をみてみると
- シカゴ・・・エリウド・キプチョゲ、ゲーレン・ラップ、ローレンス・チェロノ
- NYC・・・レリサ・デシサ
- 東京・・・なし
- ボストン・・・チェロノ、デシサ
- ロンドン・・・キプチョゲ、シュラ・キタタ
- 世界陸上・・・デシサ
となります。つまり今回のボストンマラソンは五輪並みの価値があり強豪選手を集めることに成功したというわけです。
注目選手たち
ここで注目選手を簡潔に紹介していきます。
ローレンス・チェロノ 自己ベスト2時間3分4秒
出場レースで大体勝っている(2019年はボストン&シカゴのW優勝)。キプチョゲを除いて1番強い選手の1人。東京五輪で4位になり株を下げてしまったが今回汚名返上を狙う。
レリサ・デシサ 自己ベスト2時間4分45秒
ボストンマラソンで2回、NYC、世界陸上で1回ずつ優勝経験あり。スピードは無いが、ペーサーがいないチャンピオンシップスタイルで抜群の強さをみせる選手(出場レースは秋がNYC、春がボストン)。完走したレースは大体3番以内も途中棄権も多い。自己ベストは2013年。マラソン選手としてのキャリアはとても長く常に第一線にいるのもすごい。
ジョフリー・キルイ 自己ベスト2時間6分27秒
2017年のボストンマラソンと世界陸上で優勝したことから、その将来性が期待されるもその後はあまり結果を残せていない。スピード向上がカギ。かかと着地が特徴。
ジョフリー・カムウォロル 自己ベスト2時間5分23秒
元ハーフマラソン世界記録保持者。NYCマラソンで優勝2回。キプチョゲが「次世代の長距離を引っ張る選手」と認める選手。フルマラソン2時間切りの可能性を秘める。
ビルハヌ・レゲセ 自己ベスト2時間2分48秒
マラソン世界歴代3位。東京マラソン2連覇。今年の東京マラソンは欠場、ボストンマラソンにスライド。ペーサーがいるマラソンでは結果を出してきたが、今回のペーサー不在のアップダウンがあるレースではどういう走りをするのかに注目。
シセイ・レマ 自己ベスト2時間3分36秒
強く速いけど勝ちきれない(3番が多い)のが特徴だったが、昨年のロンドンマラソンで強力なライバルたちに勝利。それがまぐれでないことを今回証明したい。
川内優輝 自己ベスト2時間7分27秒
2018年、極寒の中優勝を果たした。その後は厚底シューズによる高速化に適応できず、なかなか結果がでなかったが2021年のびわ湖マラソンでアシックスのメタスピードスカイを履いて2時間7分の自己ベスト。昨年は怪我で欠場となったが、今回改めてNew川内でボストンマラソンに再戦する。
ベンソン・キプルト 自己ベスト2時間5分13秒
前回王者。33kmからの下り道で凄まじいスピードをみせつけ優勝。今回もその戦法がさく裂するか?
アルバート・コリル 自己ベスト2時間8分3秒
昨年のNYCマラソン王者。NYCもボストン同様に起伏がありペーサー不在のため、NYCで活躍できるということはボストンでも期待できるということ。
エヴェンス・チェベト 自己ベスト2時間3分00秒
2020年のバレンシアマラソン優勝。その前はびわ湖毎日マラソンでも優勝している。WMM優勝経験はないが注目すべき選手の1人。
ここで紹介した10人、みんなに優勝や3位以内に入るチャンスがある。それだけ今年のボストンマラソンはすごいのです。またここにいないメンバーが優勝する可能性も大いにあります。どんなレースが展開されるのか、非常に楽しみにですね。