今年のボストンマラソンの男性エリートフィールドが凄い。その理由は
WMMのチャンピオンが集結している
に尽きます。
WMMとは?
WMMというのはワールドメジャーマラソンという世界6大マラソンのことを指します。6つのレースとはベルリン、シカゴ、ニューヨークシティ(NYC)、東京、ボストン、ロンドンのこと。世界に数あるマラソン大会の中でも最強クラスの選手達が集まります。
日本では世界陸上で3位以内に入る方が評価されそうですが、世界の強豪選手たちは世界陸上よりもギャラが高い秋開催のベルリン、シカゴ、NYCを優先する動きにあります。そのような理由からWMMで3位以内のいうのは世界陸上で3位以内と同等の評価が得られます。
注:2017年にロンドンで世界陸上が開催されたときはベルリンにキプチョゲ(世界記録樹立)、シカゴにロンドン&リオ五輪5千m・1万m金メダリストのファラーや大迫選手(日本記録樹立)、NYCに2019年ドーハ世界陸上王者のデシサがでていた
ちなみに4年に1度しか開催されないオリンピックは別格らしく、各国最強の選手たち(キプチョゲとか)が参戦します。それゆえオリンピックでは8番以内に入ることが世界レベルの証といえるでしょう。
WMM+世界陸上で3番以内に入った日本人選手は?
WMMの6大マラソン+世界陸上で3番以内が世界レベル。優勝なんかしてしまったらそれこそ世界トップクラスの仲間入り。
2016年のリオ五輪から今に至るまで、日本人選手でこれらの大会で3番以内に入ったのは
2017年
ボストンマラソン 3位 大迫傑選手
2018年
東京マラソン 2位 設楽悠太選手
ボストンマラソン 優勝 川内優輝選手
シカゴマラソン 3位 大迫傑選手
2021年
東京五輪 6位 大迫傑選手
以上
大迫半端ない!
ちなみに4位も含めますと2017年のベルリンマラソンで中村匠吾選手、松田瑞生選手、2020年の東京マラソンで4位の大迫傑選手、2021年のシカゴマラソン、2022年の東京マラソンで4位に入った鈴木健吾選手がいます。鈴木選手が大迫選手の領域に達するためには記録よりWMMや世界陸上で3番以内に入るという強さの証明が必須です。
WMM+世界陸上で優勝した男性選手たち
それでは世界の本当のトップしか優勝できないWMM+世界陸上の優勝者はどんな顔ぶれかというと・・・。上と同じくリオ五輪以降で見ていきます。
()内の回数は同期間内で優勝した回数を示しています。
2016年
ベルリンマラソン ケネニサ・べケレ・・・5千m1万m元世界記録保持者。マラソン世界歴代2位の2時間1分41秒
シカゴマラソン アベル・キルイ・・・ベルリン&テグ世界陸上金メダル、ロンドン五輪銀メダル
NYCマラソン ギルメイ・ゲブレセラシエ・・・北京世界陸上金メダル
2017
東京マラソン ウィルソン・キプサング・・・元世界記録保持者、WMM優勝多数
ボストンマラソン ジョフリー・キルイ・・・のちのロンドン世界陸上金メダル
ロンドンマラソン ダニエル・ワンジル・・・アムステルダムマラソン優勝
ロンドン世界陸上 ジョフリー・キルイ(2)
ベルリンマラソン エリウド・キプチョゲ・・・世界記録保持者
シカゴマラソン ゲーレン・ラップ・・・リオ五輪銅メダル
NYCマラソン ジョフリー・カムウォロル・・・ハーフマラソン世界記録保持者
2018
東京マラソン ディクソン・チュンバ・・・東京マラソン&シカゴマラソン優勝経験あり
ボストンマラソン 川内優輝・・・悪天候の中、優勝
ロンドンマラソン エリウド・キプチョゲ(2)
ベルリンマラソン エリウド・キプチョゲ(3)
シカゴマラソン モハメド・ファラー・・・五輪5千m1万m2連覇
NYCマラソン レリサ・デシサ・・・ボストンマラソン優勝x2、ドーハ世界陸上金
2019
東京マラソン ビルハヌ・レゲセ・・・東京2連覇、フルマラソン世界歴代3位
ボストンマラソン ローレンス・チェロノ・・・ボストン&シカゴ優勝、東京五輪4位
ロンドンマラソン エリウド・キプチョゲ(4)
ベルリンマラソン ケネニサ・べケレ(2)
ドーハ世界陸上 レリサ・デシサ(2)
シカゴマラソン ローレンス・チェロノ(2)
NYCマラソン ジョフリー・カムウォロル(2)
2020
東京マラソン ビルハヌ・レゲセ(2)
ロンドンマラソン シュラ・キタタ・・・2018年ロンドン&NYC2位
2021
東京五輪 エリウド・キプチョゲ(5)
ベルリンマラソン グエ・アドラ・・・ベルリン2017準優勝
ロンドンマラソン シセイ・レマ・・・東京2020で3位
シカゴマラソン セイフ・トゥラ・・・パリマラソン2022で準優勝
ボストンマラソン ベンソン・キプルト・・・プラハ&トロントマラソン優勝
NYCマラソン アルバート・コリル・・・NYCマラソン2019で準優勝
2022
東京マラソン エリウド・キプチョゲ(6)
2021年は東京五輪からNYCまで大会ラッシュがあったので有力選手が分散。今までと比べるとネームバリューに劣りますが、全体的にWMM+世界陸上で優勝するということがいかに凄いことなのかがお分かりいただけたでしょうか?リオ五輪以降、2回も非公認レースを走りながら6回も優勝しているキプチョゲはまさに生きる神なのです。
さて、前振りが長くなりましたが、上にいるうち9人(太字になっている選手)が再来週のボストンマラソンを走るのです・・・。すごいと思いませんか?
次の投稿は各選手についての紹介になります。