コロナ禍が始まって2年が終わりました。今年で3年目。いつ終わるのか本当に先が見通せない日々が続いております。
陸上界でも多くの大会が中止や延期に追い込まれました。東京マラソンでさえ秋開催なのが延期で先週開催になったほどです。
そんな中、一度も中止にせず、また市民ランナーも交えて参加させてくれた凄い大会。それが
名古屋ウィメンズマラソン
なのです。
今回は明後日開催の名古屋ウィメンズマラソンの展望を紹介します。
海外エリート選手
注目は
- ルース・チェブンゲティッチ(ケニア)自己ベスト 2時間17分8秒
- ロナチェムタイ・サルペータ—(イスラエル)自己ベスト 2時間17分45秒
の2人。チェブンゲティッチはドーハの世界陸上女子マラソンで優勝。暑さに強く、速さも持つ選手です。サルペーターはケニア出身のイスラエル人。大使館で働いていて、健康のために走り始めるとそこからあれよあれよと速くなったというスゴイ人です。東京マラソン2020で優勝しています(なんで今回東京に来なかったかはおそらく後述にある)。
普通にいけば、今回は力が抜けているこの2人がペースメーカーが外れる30km以降にペースアップすると思います。ところが今大会は優勝すると賞金25万ドル(日本円で約2875万円)を貰えます。それを考慮すると、最後の最後まで牽制するのではという可能性もあります。そうなった場合、この2人が最後まで残るのか、それとも思わぬ伏兵がいることから、予想もしていない選手が優勝するのか。何が起きるのかが分からないのが今回の名古屋です。
好調な安藤選手
そんな伏兵となりえるのが安藤友香選手(ワコール)。名古屋では初めて走ったときに2時間21分台、2回目も2時間22分台と非常に相性が良いです。事前の都道府県駅伝(アンカー10kmを区間2位:31分38秒)や実業団ハーフ(1時間8分13秒、日本歴代7位)の走りをみていると、安藤選手は非常に状態が良いことも分かっています。実業団ハーフでは東京マラソンで2時間21分17秒で走った新谷選手にも先着。それを考慮すると、安藤選手が2時間20分台では走れるチカラがあると思っていいでしょう。
ただ問題は天気。日曜は気温が高く最高気温は20℃となっています。マラソンを走るのに最適な気温は大体14℃。それより暑いと、発汗が多くなり血流が滞る=酸素が行き渡らなくなることから、ペースが失速していまいます。マラソンをちゃんと走り切ることを目標とするならば、無理して記録を狙わず抑えめで走ったほうが良いのではと思います。その辺は前日のテクニカルミーティングで話し合われることでしょう。
安藤選手のほかには幼いころから山間部を歩き回っていたエディオンの細田選手、故小出監督が期待を寄せていたユニバーサルエンターテインメントの和久選手、大阪国際で好走した大塚製薬の岡田選手、タフさが武器の第一生命の田中選手が招待されています。招待選手以外にも前回の名古屋で先頭集団につき、大きく失速せずにゴールした大塚製薬の福良選手、トラック・ロードともに強い大東文化大学の鈴木選手がエントリー。MGCの枠は6つあるので、そこにいったいどれだけの選手が絡んでくるのか、ニューフェイスは誕生するのか楽しみですね。