東京マラソン2021感想その1

今回は昨日開催されました、東京マラソン2021の感想を書きます。

キプチョゲはやっぱり強かった

男子レースはキプチョゲが2時間2分40秒で優勝。これでマラソン16戦14勝。2時間2分40秒という記録自体もキプチョゲ自身の世界記録(2時間1分39秒)、ベケレの2時間1分41秒に次ぐ、キプチョゲがロンドンで出した2時間2分37秒に次ぐパフォーマンス歴代4位となります。

今回キプチョゲが負けるとしたら、キプチョゲが調子があまり良くなく、ライバルたちの調子が最高の場合と言われていました。ところが蓋を開けると

  • 持ちタイム2時間2分48秒(歴代3位)のビルハヌ・レゲセは出場辞退
  • 持ちタイム2時間2分55秒(歴代4位)のモシネット・ゲレメウは途中棄権
  • ロンドンマラソン2020でキプチョゲに勝ったシュラ・キタタは早々に遅れる

とライバルたちが勝手にいなくなる展開。アディダス勢のアモス・キプルトが絶好調ではあったものの、キプチョゲに力負けしてしまいました。

それにしても、風があり、コースを間違えて20秒近くタイムロスしたにも関わらず、このパフォーマンス。37歳となったキプチョゲはまだまだ衰えていません。おそらく次戦となる11月のニューヨーク、翌4月のボストンでも強さをみせてくれるでしょう。

アモス・キプルト大健闘!!

キプルトは自己ベスト2時間3分30秒、ドーハ世界陸上で銅メダル、東京五輪ケニア代表で力はあるのは知っていましたが、それでもレゲセ、ゲレメウ、キタタ、トラのエチオピア勢に比べると、弱いんじゃないかなと思っていました。それが35kmまでキプチョゲと肩を並べて走っていました。

キプルトの実績を紹介すると

  • 2017年にアムステルダムマラソンで2時間5分43秒
  • 東京マラソン2018、3位(優勝はディクソン・チュンバ、準優勝は設楽悠太で日本新)
  • ベルリンマラソン2018準優勝(優勝はキプチョゲで世界新)
  • ドーハ世界陸上(2019)3位
  • 東京マラソン2020を2時間8分で18位
  • バレンシアマラソンを2時間3分30秒(自己ベスト)
  • 東京五輪途中棄権

そこに今回

  • 東京マラソン2022で準優勝。2時間3分15秒で自己ベスト

が加わります。もともと実績があり、ケニア代表になったり、世界選手権で表彰台にのったりとすごい選手ではあるのですが、WMMで優勝したりといった飛び抜けた実績がなかったため、そこまで注目はされていませんでした。それが今回、最後までキプチョゲと肩を並べたということで、キプルトの株は大きく上がったことでしょう。

今回自己ベストでしたが、コース間違えや風の影響で20秒は短縮できると考えたら、2時間2分台の力があるといえます。2時間2分台を持っているのは、キプチョゲ、ベケレ、レゲセ、ゲレメウ、キメット、エキルの6人だけ。そうそうたる顔ぶれに加わるレベルだということです。

ちなみに東京マラソン2020では2時間8分という記録ですが、これはほかの選手がヴェイパーフライやアルファフライを履く中、アディダス契約の彼はアディゼロプロという中底カーボンシューズを履いていたため。レーシングシューズとしては物足りなく、青山学院大学の選手たちは誰もそちらを選択せず、ヴェイパーフライネクスト%を選んだほど。ナイキの厚底が席巻する中でも、アディダスの旧型シューズで頑張ってきた結果、アディダスの厚底(アディオスプロ)が出た時、バレンシアで2時間3分30秒を出したのでした。

キプルトはまだ29歳(世代的には富士通の中村匠吾と同じ)。キプチョゲが37歳ということを考えると、まだまだ活躍できるかもしれません。今後の活躍にも期待ですね。

つづく

 

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