東京五輪男子マラソンの上位選手たちの現在地

東京五輪が終わり8ヶ月ほどが立ちました。

五輪に参加したマラソン選手たちはダメージが残る秋はレースに参戦せず(例外はあるが)、この春から走り始めました。今回は東京五輪男子マラソンで上位に入った選手たちのその後を追いかけます。

金メダル エリウド・キプチョゲ

優勝したのはケニアのエリウド・キプチョゲ。記録は2時間8分38秒。30kmすぎからの独走は、キプチョゲはこんなに強いのかと世界中のマラソンファンを驚かせたに違いありません。

世界記録保持者(2時間1分39秒)で非公認ながらも人類初の2時間切りも達成。リオ五輪が金メダルで東京も金。マラソンは16戦14勝と史上最高・最強のマラソン選手(GOAT:Greatest of all Time)と名高い選手です。

東京五輪後は3月の東京マラソンに出場。もちろん優勝し、記録は2時間2分40秒のパフォーマンス歴代4位という記録。

37歳といわれていますがまだまだ衰える気配をみせません。今後はおそらく11月のNYC、来年4月のボストンを走ってWMM制覇を達成し、2024年のパリ五輪で前人未到のマラソン3連覇を目指すのではないでしょうか?

銀メダル アブディ・ナゲイエ

東京五輪で銀メダルをとったのはオランダのアブディ・ナゲイエ。ラストの直線でのスパート合戦を制しての銀メダルでした。ロンドン&リオ五輪で5千m、1万mの2冠を2連覇したモハメド・ファラーと同じ、ソマリア生まれ→難民として海外移住した選手です。

この選手、もともとすごい実績があったわけではありません。リオ五輪のフルマラソンは11位。その後、NNランニングチームに所属してキプチョゲらと生活、練習を共にすることで徐々にレベルアップ。ハーフマラソンは1時間24秒(2019年丸亀ハーフ)、フルマラソンは2時間6分17秒(2019年ロッテルダム)。すごい記録ではありますが、当時の日本記録(ハーフは設楽悠太選手の1時間17秒、フルは大迫傑選手の2時間5分50秒)のほうが上です。

そんなナゲイエの転機となったのは練習環境の変更。NNランニングの練習は確かにすごかったそうですが、キプチョゲたちにとって良い練習というのはナゲイエにとっては負荷が大きかったそう。そこで彼にあった練習をということで、ゲイリーラフ(ポーラ・ラドクリフの夫、ファラーの練習もみている)のもとで走り始めます。それが噛み合った結果、東京五輪では銀メダルを獲得しました。

東京五輪銀はまぐれではないことを証明したのが先日のロッテルダムマラソン。ナゲイエは2時間4分56秒という素晴らしい記録(奇しくも日本記録と同じ)で優勝を果たしました。

つづく

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