東京五輪男子マラソンの上位選手たちの現在地その3

前回までの2回の投稿で、東京五輪男子マラソンで上位に入った4名(キプチョゲ、ナゲイエ、バシル、チェロノ)の紹介と現在地を書いてきました。

今回はその続きとなります。

5位 アヤド・ランダセム

個人的に非常にサプライズだったのがランダセムが5番に入ったこと。それまでWMMや世界陸上のようなレースでの実績がなかったこと、39歳という年齢を考えても、まさかここまで走れるとは思っていませんでした。

オリンピック5位の実力はまぐれではなく、セビリアマラソンでは2時間6分25秒で走っています。

ランダセムは国籍こそスペインですが生まれはモロッコ。1500mの世界記録保持者のエルゲルージや世界陸上マラソンで金メダルを2回とったガリブがいるように、モロッコも長距離種目でものすごく強い国です。

2008年、2012年の夏季オリンピックではトラック種目に出場。とはいえ記録面では日本人とさほど変わりません(記録については下記参照)。フルマラソンでも2020年に2時間6分台で走っているのですね。

現在40歳のランダセム。彼に限らず日本では37歳の今井選手(トヨタ自動車九州)、岡本選手(中国電力)が活躍。ベケレもファラーも39歳。シューズの進化もあるでしょうが、長距離種目(マラソンだけ?)というのは長く活躍できるスポーツになりましたね。

6位 大迫傑

自分の力を見極め、冷静なレース運びで6位入賞した大迫傑選手。42.195kmという距離を走りきる能力に関しては彼の右に出る選手は日本人選手にはいないでしょう。ボストン、福岡国際、シカゴ、MGC、東京、そして東京五輪とすべて失速といった失速はありません(後半すごく上げたレースもない)。

この失敗しないという能力は結果にも反映されていて

  • ボストンマラソン 3位
  • 福岡国際マラソン 3位
  • シカゴマラソン 3位
  • MGC 3位
  • 東京マラソン 4位
  • 東京五輪 6位

とどんなレベルの高い大会であっても結果を出してきました。寒さによる途中棄権こそあるものの、最低順位が6番(しかもオリンピック)の選手って今までいたのでしょうか?あのキプチョゲでさえも、2020年のロンドンマラソンでは8位になってことがあります。これを考えると、大迫選手のマラソン選手としての価値は2時間5分29秒という速さよりも強さにあるんだなと実感します。

この強さの秘密ってどこにあるんだろうか?彼の書籍を読んで研究しないといけません。

今年、現役復帰を表明した大迫選手。その強さが引き続きみれるのか、楽しみですね。

 

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