前回はフルマラソンを上手に走るための練習について僕の経験をもとに書きました。今回はその練習の成果をちゃんと発揮するためのコンディショニングについて書いてみたいと思います。
コンディショニングとは?
持っている力を100%、いやそれ以上発揮するために、必要な時(レースのこと)に向けて体調を整えていくことです。
例えば30km走を何回したとか、月間500km走ったとか、スゴイ練習ができていてもその過程において故障をしたり疲労が抜けないまま、レース本番を迎えると頑張った成果を発揮できずに終わってしまうという事になります。
練習を頑張ることは大事ですが、それはあくまで手段であり目的ではありません。目的はレース本番で力を発揮することだとしたら、そのために体調を整えることこそがコンディショニングとなります。
コンディショニングのためにしてはいけないことは
①体調を無視した練習
よくあるのが30km走毎週しました!ポイント練習いっぱい入れています!みたいな人。メニューをこなすこと、頑張ることが目的になっています。
頑張っているのは分かりますが、間違いなく疲労は蓄積しています。何度も書きますが、練習は手段であって目的ではありません。目的達成の役に立たない練習は意味がありません。
②本番2週間前から頑張り始める
これも駄目です。フルマラソンの練習というのは時間をかけておこなうもの。最低でも3カ月は必要になります。長きにわたる地道な練習の繰り返しによって、42.195kmという長距離を走り切る準備ができるのです。
2週間前といったら最終調整の段階です。もし地点において十分な準備ができていないのであれば、フルマラソンはレースペースではなく、練習の一環として+30秒くらいで走るかLSDのような超スローペースで走るようにしましょう。
③本番前日に走りすぎる
ここであがいても無駄です。疲れが溜まるだけなのでおとなしくしておきましょう。
④本番当日レース前に走りすぎる
これも無駄です。これから42km走るのに、それより前に走って貴重な糖質を消耗してはいけません。エリートランナーなら始めからある程度のペースで走るためにウォーミングアップが必要かもしれませんが、市民ランナーには不要です。そもそもせっかくウォーミングアップをしても、スタート30分前にスタートエリアに待機することで身体が冷めてしまいます。それくらいならウォーミングアップをしないで可動域を広げたりストレッチしたり、その場足踏みで心臓に刺激を入れたほうがマシです。
コンディショニングのためにしたい練習
30km走
フルマラソンの3~4週間前に1回すれば良いでしょう。やりすぎると疲労が抜けなくなりレース本番で力を発揮することができません。
ペースはフルマラソンペースよりキロあたり10~30秒遅くて大丈夫。僕が2時間44分(3分53秒ペース)で走ったときは4分5秒、2時間49分(キロ4分1秒)で走ったときは4分30秒で入ってラスト10kmをキロ4という練習でした。
もし何回か30kmをしたいという方は疲労を残さないためにペースをゆっくり、目安としてはフルマラソンのペース+30~40秒を目安にすると良いでしょう(2時間48分で走ったときは4分30〜40秒ペースで30km走を2回しました)。
2週間前のハーフマラソン
入れても入れなくても大丈夫です。ペースとしてはフルと同じか速いくらいのペース。僕は結構ガチで走って成功も失敗もしていますが、その成否がフルマラソンの成否に関係したことはありません。ハーフマラソンで失敗してもフルマラソンで成功することが多いです。むしろ1,2週間前に30km走をしていて、その疲労で上手くいかないことが多い気がします。
1人でするならフルマラソンペースでも十分すぎるほどの高負荷がかかります。
1週間前の10km走
フルマラソン直前の最後のポイント練習となります。ペースはLTペース≈ハーフマラソンペースです。
このポイント練習が終わったら、あとの練習はジョグのみとなります。
本番までの練習
日曜日がレースだとします。普段1日60分走るとしたら、木40分、金30分、土20分と徐々に時間を減らしていきます。遠征するのであれば、土曜日に走る必要もありません。たくさん歩くと思うので、それ自体が良い刺激になります。
今回の記事では主に練習面でのコンディショニングを紹介しました。
次回はそれ以外のコンディショニング、お役立ちグッズについてです。