今日開催された大阪マラソン(正式名称:第10回大阪マラソン・第77回びわ湖毎日マラソン統合大会 )が想像以上に面白かったので感想を書きます。
戦前の予想では
大会サイトはこちら。
https://www.osaka-marathon.com/
戦前の予想では、気温が上がり、風も強く吹くことからあまり期待されていませんでした。加えて、招待選手は1週間後に開催される東京マラソンに比べれば盛り上がりに欠けます(東京マラソンに鈴木選手を始めとした4分台、6分台の選手がいるのに加え、大阪マラソンには最速でも6分11秒の設楽選手。次は7分27秒の川内選手)。それゆえ、期待値は低いのではと思っていました。ところが蓋を開けると全く違っていたのです。
サバイバルマラソンの楽しさを再認識
今回の大阪マラソンはペースメーカーが1km3分ペースで引っ張るレースでした。そういうレースはサバイバルレースになるのが常です。以前ならすぐに選手がいなくなるところ、今は厚底レーシングシューズの進化により、ペーサーがいなくなる30kmを過ぎても人数がそこそこいるのです。今回面白かったのはまさにその30kmを越えてからでした。
無駄な動きが目立った村山謙太選手
ハーフあたりから旭化成の村山謙太選手がペースメーカーの後ろについており、とても好調そうでした。走りの上下動もなく、リズムに乗れており、いい時の村山選手といった感じでした。ところが30km手前(上り)でペーサーの横にでると、その後は川内選手の飛び出しに反応。なぜか30kmでは給水もとっていませんでした。その後は三菱重工の山下選手に反応したり無駄な動きが目立ちました。解説の大迫選手も仰っていたように、都度先頭のペースの上げ下げに反応するのはエネルギー消耗が激しいです。好調だっただけにできたのですが、その後の失速や肉離れを考えると非常にもったいなかったと思います。
一流ランナーもそうでない市民ランナーもマラソンの鉄則は無駄な動きをしないことです。一定速度・一定努力で走り、余裕があるタイミングを見極めてペースを上げる。これが上手に走る鍵です。我慢ができず、動いてしまった村山選手はマラソンで活躍するためには今後さらなる我慢をしないといけません。
目立たなかった星選手
対してコニカミノルタの星選手はさっぱり目立っていませんでした。存在を感じたのはハーフごろ。それも後ろのほうで走っていたので、もうキツイのかなと思っていました。それが最後は1番になるのですから、彼の走りがマラソンのお手本なんだなと再認識。まだ大学を卒業して1年目。コニカミノルタは最近駅伝で活躍できず、走りの方で良いニュースがなかったのですが、久しぶりに良いニュースとなりました。ちなみに選考会マラソン優勝は僕が陸上を見始めて初です(日本人1位は野口拓也選手がいたかな)。
MGCを決めた選手たち
①星岳選手(コニカミノルタ)2:07:31 出身:帝京大
②山下一貴選手(三菱重工)2:07:42 出身:駒澤大
③浦野雄平選手(富士通)2:07:52 出身:國學院大
④丸山文裕選手(旭化成)2:07:55 出身:大分東明
⑤岡本直己選手(中国電力)2:07:55 出身:明治大
⑥今井正人選手(トヨタ自動車九州)2:08:12 出身:順天堂大
⑨川内優輝選手(あいおいニッセイ同和損保)2:08:49<=2大会の平均が2時間10分を切ったため資格取得
以上の7名がMGCを決めました。初マラソンの若手からベテランまで、個人的にはリオ五輪前の琵琶湖を盛り上げた丸山選手が好走したのが嬉しかったです。山下選手は前回の8分台を更新しての自己ベスト。あのときのびわ湖は気温が低く、風がなく、気圧が高い(酸素が濃い)、今回以上の集団走なのでとても走りやすかったはずです。その時より気温が高く、風があり、コースもアップダウンや折返し(折返しはきつい、海外マラソンじゃみない日本独特です)があるなかでの自己ベストはすごいです。
来週の東京マラソンはたしかに記録はでます。速い選手を見つけるにはいいですが、強い選手かといわれると?です。現に前回のMGCは東京マラソンで資格取得した選手たちは軒並み低迷していました。それを考えると今回頑張った選手たちは今後期待できるのではと思うのです。
まとめ
メンツだけみると盛り上がりに欠けると思われましたが蓋を開けるとハラハラドキドキ、最終盤まで誰が勝つのか分からない、とても面白いレースでした。今回活躍した選手たちの今後が楽しみです。
おまけ
コニカミノルタの山本浩之選手。今回が引退レースでした。彼は昨年から茨城の東洋大牛久高校のコーチをしています。いつ走っているのか分からないけど(噂では生徒と一緒に走っている)、20kmくらいまで先頭集団にいてびっくりでした。NYCマラソンで4位に入るなど、強い選手でした。その強さは星選手が受け継いでくれました。今後は高校のコーチとしてのご活躍を願っております。今までお疲れさまでした!