東京マラソン2021国内エリート選手(1)

本日は東京マラソン2021の国内エリート選手の中から注目選手を紹介します。たくさんいるので2回に分けて紹介する予定です。

エリート選手を紹介したリストはこちらになっております。

東京マラソン2021エリート選手一覧

男子選手

鈴木健吾選手(富士通)自己ベスト2時間4分56秒

いわずとしれた日本記録保持者。神奈川大学3年時の箱根2区での区間賞から一気に注目を浴びた印象です。その後、大学4年時は調子を崩しながらも東京マラソンで2時間10分台で完走。当時はアシックスのソーティを履いていたと思いますが、薄底でそこまで走れたということを考えると驚異的です。

その後、海外レースでMGC出場権を獲得。MGCでは2位集団を引っ張り39km地点まで先頭でいるなどとても目立つ活躍をしていました。

そしてやはり、昨年のびわ湖毎日マラソン。35km以降、とてつもないペースアップで日本人初、というよりアフリカ系以外で初の2時間4分台を記録しました(非公認レースだとアメリカのライアン・ホールさんがボストンマラソンで2時間4分台を記録)。

昨年秋にはシカゴマラソンに参戦。風が強い中で8分台の4位でした。これは日本記録保持者ということ、2位には東京五輪で8位だったゲーレン・ラップが2位に入っていたことを考えると(大迫選手は6位)物足りません。今回の東京マラソンでは強い海外エリート選手たちをどこまで崩せるかが注目されます。

土方英和(HONDA) 自己ベスト2時間6分26秒

昨年のびわ湖毎日マラソンでは2位に入った選手。國學院大學時代は出雲駅伝の区間賞や箱根2区での好走。4年時の東京マラソンでは2時間9分台でもフィニッシュ。

そのようにロードで適正をみせていた土方選手は実業団でもその傾向は変わらず、びわ湖で2時間6分台をだしました。後半これといったペースダウンが無かったのはすごかったです。

昨年のベルリンマラソンは11位と期待値から大きくハズレる走りでしたが、ホームとなる東京マラソンでは2時間5分台を目指して走ってほしいです。

細谷恭平(黒崎播磨)自己ベスト2時間6分35秒

中央学院大学時代は山登り等担当していたけど、そこまで目立った存在ではありませんでした。ところが昨年のびわ湖毎日マラソンではピッチ走行が冴え終始ペースダウンせず、イーブンペースで走りきり、マラソンに対する適正をみせつけました。

その勢いは加速し、昨年の福岡国際マラソンでは日本人1位(全体2位)の2時間8分16秒、NY駅伝では区間賞・区間新。どちらも風が強かったことから、悪コンディションにも強いことが予想されます。

福岡国際、1位になったのはスズキのマイケル・ギザエ選手。実は今回の東京マラソンにエントリーしています。細谷選手が世界トップに挑むのはもちろん、マイケル選手との再戦も楽しみな点です。

髙久龍(ヤクルト)自己ベスト2時間6分45秒

東洋大学時代は箱根8区区間賞が印象深いです。2019年のMGCにも参戦しています。その後の東京マラソンで2時間6分台。昨年はびわ湖、福岡国際と先頭集団で走っています(福岡国際ではMGC出場権を獲得)。

良い記録はもっているけど勝ちきれないというのが髙久選手の課題。昨年のびわ湖で鈴木選手がみせたような後半に突き抜けるような走りを期待したいです。

井上大仁選手(三菱重工)自己ベスト2時間6分47秒

山梨学院大学時代は箱根駅伝で1区、5区、3区と幅広い活躍。全日本大学駅伝でもスピード選手が集まる2区で大活躍していました。

その活躍は実業団に入ってからさらに輝きます。初マラソンは2016年のびわ湖毎日マラソン。リオ五輪の選考会になっていた同大会で30kmあたりまで先頭集団にいてマラソンに対する適正をみせていました。

その名がより多くの人に知られるキッカケになったのは2017年の東京マラソンでしょう。終始ハイペースで2時間8分22秒で日本人1位となりました。テレビ中継では1位のウィルソン・キプサング選手(元世界記録保持者で東京マラソンの大会記録保持者)とハイペースで走っていた設楽悠太選手が注目されて、井上選手はほとんど写っていなかったのが不憫でした。

その夏にはロンドン世界陸上でマラソンを走ります。26位と悔しい結果に終わるも、翌年の東京マラソンでは2時間6分54秒と当時の歴代3位?くらいの記録で走ります。アシックスの薄底で出した記録と考えればいかにこれがすごいことかがわかります。

その後、ジャカルタアジア大会で金、暑さにも強いところをみせた井上選手はMGCでも優勝候補。ところがプレッシャーからか本来の力を発揮できず最下位に。東京五輪の服部選手と中村選手もでしたが、プレッシャーというのは本当に難しいのですね。

MGCファイナルでは東京マラソンに参戦。33,4kmくらいまで日本人トップを走りますが大迫選手に抜かれ、その後ペースダウンもして2時間9分台に。昨年春にはびわ湖毎日マラソンで自己記録を出しましたが、鈴木選手に日本新、土方選手や細谷選手の後塵を拝するなど、あまりうれしくない自己記録となってしまいました。

どんなハイペースでもある程度は押して行けるのが井上選手のすごいところ。ただし、勝負所の見極めやレースのペース変化へ反応してしまい消耗をしてしまうのが弱点です(ゆえに世界選手権、MGC、ボストンマラソンと結果を出せませんでした)。そういう弱点をどう補った時が井上選手が速さと強さを兼ね揃える時です。

今回の東京マラソンではどんな井上選手がみれるのかが楽しみです。

残りの選手たちは明日はその(2)で紹介!

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